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夜空と交差する森の上映会 (Forest movie festival)

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日本初の野外映画フェス

 2016年、一晩で2,700人を動員した野外映画フェス「夜空と交差する森の映画祭(以下:森の映画祭)」その派生版として「夜空と交差する森の上映会 IN ゴールデンウィーク2017(以下:森の上映会)」が8日間 にわたって開催されました。
 会場は、山梨県北杜市白州町尾白の森名水公園「べるが」。最近は野外映画祭が全国各地で数多く開催されていますが、「野外映画フェス」と銘打ったスタイルを生み出したのは森の映画祭だけです。他の映画祭と一線を画すのは、野外フェスの形態とショートフィルムを多く上映する点。海外では商業的な地位が確立されている映画ジャンルだが国内での認知度は高くありません。
 主催者の思いであるショートフィルムの認知と普及が、森の映画祭としてかたちとなって始まったのが2014年。メイン作品となる長編映画4本に加え、国内外から厳選された47本に及ぶショートフィルムをオールナイト上映しました。上映作品毎にステージが複数に分けられ、音楽フェスさながらにタイムテーブルが組まれるのが特徴です。観客は、マップを片手にそれぞれステージを目指し、目当ての作品を鑑賞。映画祭という枠組みの中での自由度を追求したアイデアです。今年で4回目の開催を迎え、回を追う毎に来場者数を伸ばし数多くのメディアに取り上げられる人気イベントとなっています。

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 森の映画祭のエッセンスを抽出し、派生した「森の上映会」では毎日、異なった短中編映画1本と長編映画1本を上映。ゴールデンウィークということもあり、期間中、会場までのエリアバスが運行され県内外から、1,745名が尾白の森を訪れました。8日間で平均すると、1日の平均来場者数は約220名。何日か続けて会場に足を運ぶ人もいたそうです。
 この日、上映されたのは、フランス人監督と日本人画家による短編「mishimasaiko」。長編は「シング・ストリート~未来へのうた~」。日によって作品が違うため客層もがらりと変わります。

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 フードも充実。限定30食のロコモコ丼は入り口付近、べるがの売店で購入。腹ごしらえをして準備は万端です。

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 映画祭オフィシャルグッズのパーカー。映画祭のキャラクターであるポップコーンベアーとモリスのプリントが可愛いです。

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映画の世界に迷い込む

 「シング・ストリート」は1985年、アイルランドのダブリンに住む少年コナーが音楽と恋を通じて成長していく姿が描かれている、森とは対照的な街が舞台です。
 上映中、通り雨が降り出し、観客たちは雨具でその場を凌ぎます。雨足は強く、普通なら映画など見ていられない状況ですが、雨の中、誰一人としてその場を離れる者、スクリーンから目を離す者はいませんでした。劇中に映し出されるダブリンの曇天とリンクしている気さえしてきます。
 「映画の世界と現実の世界との境界を曖昧にするような感覚、世界観を提供したい」。主催者がそう話していたのを思い出しました。
 「森の映画祭」では、つくりこまれた各ステージの世界観が魅力です。上映される映画のジャンルに沿い装飾や仕掛けが施されます。「森の上映会」ではメインステージのみの上映ですが、気づかない内に観客は映画タイトルと同名のバンド「シング・ストリート」のファンとしてスクリーンに釘付けになっていました。

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 エンドロールが流れる頃には雨も上がり、頭上には月が顔をだしていました。映画館では味わうことのない森の中での余韻に浸ります。

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 会場の真ん中、機材が濡れないようにビニールをかけながらスクリーンを見つめる主催者・佐藤大輔さんの姿もそこにありました。

 南アルプス・甲斐駒ヶ岳を源流に流れる尾白川。日本名水百選として、近年はサントリー「南アルプスの天然水」のCMでフィーチャーされました。その名の由来は、白州の森の山中に尾の白い神馬が棲んでいるという言い伝えからきています。なんともオカルトめいた民間伝承もまた、「森の映画祭」の舞台にふさわしいと感じます。
 2年続けての開催地となった白州名水公園「べるが」で行われた新しいかたちでの上映会。主催者は、「森の映画祭」スピンオフ企画として継続していきたいと話します。次回開催される際には、神秘的な森の中で映画の世界に迷い込んでみてはいかがでしょうか。夜空の下でたくさんの人たちとスクリーンを見上げる。非日常的な空間があなたの映画体験を特別なものにしてくれるはずです。

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Article written by VALEM co., ltd.

佐藤大輔
夜空と交差する森の映画祭実行委員会代表。
1988年生まれ。山梨県甲府市出身。
山梨学院付属高校から上智大学理工学部に進学。在学中に共同で起業。映像制作とIT分野に携わる。
現在フリーランスとして映像制作を手掛け、自身でもショートフィルムを制作。
森の映画祭では代表として企画立案から運営を取り仕切る。
好きな映画は「ザ・ロック」「落下の王国」「パンズ・ラビリンス」。
2017年の「夜空と交差する森の映画祭」についてはオフィシャルウェブサイトまで。
※ここから外部へリンクします。詳細は下記URLを参照してください。
http://forest-movie-festival.jp

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