縄文時代を見て学べる史跡梅之木遺跡公園(Learn by watching the Jomon Period. "UMENOKI archeology Park"
「みんなでつくる縄文ムラ」北杜市にあり。
日本人の原点、縄文時代。縄文時代といえば、巨大遺跡や、竪穴住居、土器、土偶などの様々な文化があります。この縄文文化に、今世界の注目が集まっています。
山梨県にも、縄文文化の故郷と呼ばれる地があります。それが北杜市です。今回は、北杜市で2018年4月27日に完成した、集落跡「梅之木遺跡」にある史跡梅之木遺跡公園を紹介していきます。
梅之木遺跡は、標高800mの茅ヶ岳西麗にあり、北杜市では3番目となる2014年3月に指定された国史跡です。こちらでは、約5,000年前頃の竪穴住居の跡が現在にいたるまでに150か所ほど見つかっています。「みんなでつくる縄文ムラ」をモットーに、市民参加で竪穴住居づくりや植樹を行い、縄文村を充実させる活動を始めました。
そして今回、史跡梅之木遺跡公園の建設にあたり遺跡を保存。史跡公園を整備するために盛土造成し、更には縄文村を再現するために、竪穴住居、敷石住居、縄文時代の道も復元しました。
梅之木遺跡公園まではJR韮崎駅から車で約20分ほどです。駐車場に車を停めると、そばにガイダンス施設があります。ガイダンス施設では、この場所の説明を係員の方が丁寧にしてくれました。平日にもかかわらず、真剣に話を聞く来園者の姿を見ることができました。 また、縄文土器や、木を切るなどの作業に使われていたとみられる石器など、この遺跡で発見されていたおよそ40点の資料が展示されていました。
ガイダンス施設を出て下へ降りていくと、遺跡の真ん中に一際目立つ建物がありました。直径8メートル、高さ2.3メートル。これが2018年4月に完成した竪穴住居です。民族事例を参考にし、重機や金属製スコップを一切使わず、縄文時代の道具と技術そして素材にこだわり丁寧に作られたそうです。
建材は、コナラ、クルミ、クリ、カエデを使用し、全て縄文時代と同じ方法で人の手で作られているそうです。中に入ると、焚き火をしていたのかスモークした香りが鼻を刺激します。中からは、5本の柱で支えられていることをしっかりと確認でき、天窓からは光が差し込みとても幻想的です。
住居を復元するために、171本の樹木を伐採し、垂木(※1)21本、木舞(※2)235本を使用しているので、再現するためのこだわりや、技術を目の当たりにできます。
(※1)垂木(たるき):屋根板を支えるため、棟から軒に渡した木。
(※2)木舞(こまい):垂木の上に横に渡し、屋根裏板などを受ける細長い材。
今後は地域の人々から希望を募り、竪穴住居づくりや体験学習、ドングリ植樹などのイベントも行い、竪穴住居を復元し縄文文化の集落を現代に蘇らせることを目標にしています。まさに「みんなでつくる縄文ムラ」です。今後も日々変わっていく北杜市に目が離せません。
Article written by New Attitude
【史跡梅之木遺跡公園】
山梨県北杜市明野町浅尾6315
JR韮崎駅から車で約20分。JR穴山駅からは車で15分。