株式会社Katerial~県外出身者が伝える、山梨の特産品の魅力
甲斐市にある、山梨の農産物や特産品を扱う商社、株式会社Katerial。その代表取締役である長谷部福美さんは北海道出身、進学で上京し東京で就職。結婚、出産後にKaterial設立というご経歴です。県外出身者から見た山梨、山梨の名産品の魅力とはどんなものなのでしょうか。お話を伺いました。
ご主人の提案から、会社設立
山梨県出身の主人と東京で結婚した後、出産時に山梨に移り住みました。東京と山梨、どちらで子育てをしようかと考えたとき、公園や緑、幼い子供とのんびりお散歩できる環境があるのは山梨だ、と移住を決めました。
二人目の子供を出産後、主人から山梨を拠点に地場産品のEC販売を行う会社を立ち上げてみないかという提案をきっかけに会社設立を決めました。元々東京ではアパレルのデザイナーをしていたので、業界としては前職とは全く異なりますが、県外出身者の自分だからこそ気づける魅力がたくさんあるのではないかと考えました。
販路はふるさと納税や、カタログギフト、自社ECサイトなど
扱う商品はバイヤーが生産者さんに直接交渉し、卸していただいています。そのまま商品とすることもありますし、弊社の企画を見ていただき、オリジナル商品をつくっていただいたものもあります。販売先は県内7市町村のふるさと納税、婦人画報や47クラブなどリンベルのカタログギフト、自社のECサイト、イベントに参加して直売することもあります。果実とともに農家さんをご紹介することを心掛け、作り手の愛情やこだわりをお客様にお届けしています。お客様に安心してご購入いただくことで農園やワイナリー、作り手のファンを増やしていけたらと思っています。
地元ではない、からこそ見えるものがある
山梨の中に居ると普通と感じているものでも、なかなか外にまで伝わっていない魅力がたくさんあります。例えば、甲州印伝。年配の方々が愛用しているイメージがあるけれども、実は若者も持ちたくなるような配色やデザイン、可愛らしいものもたくさんあります。県内ではそのことを多くの人が知っていますが、県外ではまだまだ認知度が低くてもったいないなと感じています。また逆に、山梨の桃はサイズがとても大きいこと、知っていますか?山梨県産以外の桃は、品種にかかわらずひと回りくらい小さいサイズが普通なんです。2kgの箱で9玉ほどでしょうか。山梨県産の桃は2kgだと6玉ほどで、大きさの違いが分かると思います。些細なことですが、こういった県外からの視点で何が珍しいのか、何が知られていないのかが分かるのがKaterialの強みだと思います。
山梨に住んでみて感じること
山梨って、閉鎖的な雰囲気がありませんか?と色々な方から聞かれますが、わたしはそんな風に感じたことはありません。Katerialでお付き合いさせていただいている生産者さんは良い方が多く、何年も良いお付き合いさせていただいているところが大半です。また、移住の決め手になった子育て環境ですが、やはりのんびりとした環境を選んで良かったなと感じています。3人目を妊娠中、大きなお腹で、幼い子供をおんぶして農家さんを回っていたこともありましたが、皆さん温かく迎えてくださりありがたかったです。
魅力あふれる山梨の地場産品を多くの人に
今後はそれぞれの商品に、付加価値を付けていけたらと思っています。先ほど作り手のファンを増やしたい、とお話したことと通じますが、ここの農園のこれ!という、毎年の楽しみとしてリピート購入していただけるように。その1例として、シャインマスカットを時季外れの冬にも召し上がっていただけるよう、スーパークーリングシステムを導入して鮮度を保ち、12月に出荷できるようにしています。しっかりと鮮度を保つには、システムも重要ですが果物の品質が大切です。農家さんとしっかりとした信頼関係を築くことができたからこそ実現した商品といえます。弊社では商品を必要以上に安く卸していただくことはせず、生産者の方々にも利益をきちんと還元するように心掛けています。そのことが、この先クオリティの更なる向上に結び付いていくと思っています。また、ほかの会社、生産者さんとのコラボ商品の開発も進めています。県内に留まらず、例えばお隣の静岡の特産品と、山梨の特産品を合わせて商品を作ったりしていくことができれば、山梨の魅力を知ってもらう間口が広がっていくのではないかと考えています。
社内の福利厚生にも力を入れています。たまたま現在のスタッフは女性のみですが、子育てしていても働きやすい環境づくり、会社で長く働き続けてもらうためのシステムづくりに、もっと力を入れていく予定です。また、ピンクリボンなど県内の様々な取り組みにも積極的に参加することで、山梨全体にも貢献できる会社に成長していきたいです。
山梨の地場産品は本当に魅力にあふれています。果物の品質の高さやワイナリーの多さ、それぞれのワイナリーの特徴など、まだまだ県外に向けて発信、アピールしていきたいことがたくさんあります。人と人との繋がりを大切に、わたしたちスタッフも仕事を楽しみながら山梨の魅力をもっと多くの人にお届けしていきたいです。
Article written by VALEM co., ltd.
株式会社Katerial
山梨県甲斐市竜王新町2267-1
※詳細は下記URLを参照してください。
https://katerial.jp/shop/