メタバースとは?企業や大学が続々採用~始め方などを解説
- 目次
- 1. メタバースとは?
- 2. 国もメタバースを想定
- 3. ポイントは『アバター』と『NFT』
- 4. メタバースはいくつもあるの?ひとつだけあるの?
- 5. 手軽に利用できるメタバースのご紹介
- ・Virbela(ヴァーベラ)
- ・VRchat(VRチャット)
- 6. メタバースの可能性
- 7.メタバース。もうこんな使い方が始まっている
メタバースとは?
メタバースとは、インターネット上に展開された仮想空間のことです。
メタバースでは世界中の人びとが行き交い自由にコミュニケーションを図ります。国籍・言語の壁が低く、実際の通貨(電子通貨など)を介して娯楽、創作、企業や団体、個人による営利活動が行われます。
注意したいのは、メタバースはデジタル上の仮想空間ではあるものの、現実空間を似せた「疑似現実」ではない点です。一定の規制やモラル、リテラシーの下、独自に積み重ねられていくリアルな社会です。
モノをつかめなくても、逆につかめるものが多いのが強み。現実空間の制約(物理距離や言語の制約、身体的制約など)から解き放たれて、将来大規模な社会や経済圏が形成されるのではないかと言われています。
国もメタバースを想定
内閣府は2050年までに、人が空間や体、脳、時間の制約から解放された社会を実現すると決めました(ムーンショット目標 "1")。
ムーンショットの目標は、AIロボットや量子コンピュータなどを実際の社会に取り入れて、人間の労働や福祉の課題を解決しようとすることなので「=メタバース」ではありません。しかし、目標のひとつとして掲げる「アバター(後述)、ネットワークを介して世界中の人がコラボレーションできる場。空間や時間の制約を超えた新しい産業」というのは、言うまでもなくメタバースです。 メタバースのポイントはアバター(自分の分身・身代わりとなって行動するデジタルキャラクターのこと)です。 アバターが介在して、あらゆる活動が展開していきますが、これはゲームをはじめるときにまず自分のキャラクター設定を行うことに似ています。メタバース内で入手(or購入)した服やアクセサリーをアバターに身につけさせることができますが、それもゲームに慣れた世代なら、さして目新しいことではないかもしれませんね。 もう一つメタバースと切り離せない技術がNFTです。 NFTとは"non-Fungible Token"の略で、電子印鑑のようなものです。 これまでデジタル画像やデジタル作品は簡単に複製できてしまうため、市場で取引することが難しいとされてきました。そこに『これが本物。世界でひとつだけ』を担保できるNFT技術が登場したことにより、メタバース内で本物商品の取引が可能になりました。 実際、2021年にデジタルアート作品『Everydays: the First 5000 Days』がオンラインで約75億円で落札されたのも、このNFTがあってのことです。 メタバースを始めたいと思ったときにまず突き当たるのは、「メタバースは一つだけ?」「それとも、いくつかあるメタバースの中から選ぶの?」という疑問。 答えは後者です。 今はメタバースのプラットフォームは統一されているわけではなく、いくつかの企業が独自の形式や用途でメタバースを開発・公開している状況。その中から自分が面白そうなメタバースを選んで参加します。 将来は、地球規模の1つ、ないし数個の総合的メタバースに統一されるかもしれませんね。また、異なるメタバース間でアバターやキャリアが持ち運びできる互換性も生まれるでしょう。 すでに参加できるメタバースがありますので、その一部をご紹介します。 Virbelaは日本語を含めた13ヶ国語に対応し、北米をはじめ世界的に評価されているメタバース。仮想空間に世界中の人が集まり、趣味や学び、仕事のシーンで自由に交流できます。 無料で入れてVRゴーグルは不要。パソコンとイヤホンだけでメタバースに入れます。 アバターに近づいていくと足音や会話の音が大きくなり離れると小さくなるのでリアル。ズームやスカイプなどのオンラインビデオツールは参加者全員の声が同じボリュームで聞こえますが、Virbelaでは近くの人の話し声は大きく、遠くの人の声は小さく聞こえるので、臨場感のある打ち合わせが可能です。 Virbelaは、スタンフォード大学ビジネススクールがコロナ下で講義を行うのに使われました。 ちなみに、Virbelaの公式代理店である株式会社ガイアリンクの本社は長野県茅野市。山梨、東京、神奈川、大阪、メキシコなど世界中にいる社員がメタバースで出社して仕事をしているとか。 VRchatは、VRゴーグルを使って入るメタバース(VR機器がなくても参加は可能)。 一体型VRヘッドセットを利用すれば、自分の顔の向きや体の動きがアバターと同期するので、ボディーランゲージまで伝わります。アバターを自分で自由に作れるのも人気。 2022年7月には、東京理科大学が学生や研究者、一般の方の学術交流イベントをVRchatで開催するなど、教育機関での活用も広がっています。 あつ森やファイナルファンタジー(FF)などのオンラインゲームもメタバースの一種と言われることがありますが、リセットや一時停止ができる点でメタバースとは異なります。こちら側の世界で就いている職業や持っているスキルがそのまま向こうに持ち込めて、何かをしに行くのではなく何もなくてもそこにいる、日常としての仮想空間がメタバース。 メタバースを、単なる流行りではなく、産業革命やIT革命のような、人間社会のあり方を変えるパラダイムシフトと見る専門家は少なくありません。トークンや法整備、市場原理、社会秩序が確立され仮想空間の精度が高くなると、労働や報酬、欲求などの人間の原則がメタバース内で満たされてしまう可能性があるからです。得られる学びや喜びといった心理経験が物理的世界を上回れば、メタバースが現実空間を包括する可能性さえありえるのではないでしょうか。ただ、それはまだ誰にも分かりません。 ある試算ではメタバースの市場規模は2030年に980兆円~1600兆円になると予想されています(米金融大手「シティグループ」の試算)。また、Facebookやインスタを運営する会社である旧Facebook社は、2021年、社名をMeta Platformsに変え、メタバースに本格参入することを表明しました。 すでにいろいろなシーンでメタバースの利用が始まっています。 展示会や国際会議はメタバースとの親和性が高く、すでに多くの企業や団体が利用しています。列車や飛行機に乗ることなく世界中から手軽に参加でき、臨場感のある会話で商談ができるので、今後シェアを増やすでしょう。 メタバースでは音楽フェスも好評。 その概念さえまだ教科書に載っていない新しい潮流。その波になんなく乗れるのは、あつ森やFFなどでアバターに親しんでいる若い世代でしょうか。それとも、働き盛りのビジネスマンでしょうか。 衣食住、農業生産、工業生産、飲み会、デート、ドライブなど、人間の営みはデジタルだけで完結できるものではありません。しかし、二項対立ではなく相互補完。それは、ユーチューブというデジタルプラットフォームが、現実世界の学びや音楽、芸能、経済の枠を押し広げたことからも分かります。 メタバースという仮想空間は現実空間と融合しバランスを取りながら、その存在感をますます強めていくようです。 written by ヒノキブンコ記事の続きはこちらから
ポイントは『アバター』と『NFT』
メタバースはいくつもあるの?ひとつだけあるの?
手軽に利用できるメタバースのご紹介
Virbela(ヴァーベラ)
VRchat(VRチャット)
メタバースの可能性
メタバース。もうこんな使い方が始まっている