中秋節とは?中秋の名月と同じ日。今年はいつ?日本の風習は?
中秋節とは?
中秋節(ちゅうしゅうせつ)とは、中国を起源として東アジアに広く伝わる旧暦8月15日(新暦では9月から10月初旬のいずれかの日)を祝う伝統的な日です。
中秋節は中国や台湾では国民の祝日になります。中国では「団欒節」とも呼び、離れて暮らす家族が集まって一家団欒のひとときを楽しみます。
中秋節は『中秋の名月(十五夜)』と同じ?
中秋節は日本の「中秋の名月」「十五夜」と同じです。
日本では中秋節の日は十五夜、すなわち秋の収穫に感謝を捧げる日として、秋の澄んだ夜空にくっきり浮かぶ満月を愛でながら、季節の移ろいを感じる習慣が根付きました。
十五夜という言葉には、「毎月くる満月の夜」という意味がありますが、中秋の名月という意味もあり、後者の方が一般的かもしれません。
中秋?仲秋?どちらが正しい?
中秋節の十五夜を指す場合、中秋の名月が正しい書き方です。
中秋と仲秋は意味が異なります。仲秋は秋の半ばの一か月のことで、陰暦では8月、現在の暦では9月8日頃から10月7日頃を指します。中秋は仲秋の真ん中の1日、陰暦では8月15日のことです。
中秋節はいつ?
中秋節は旧暦8月15日と決まっていますが、旧暦と新暦は1年で11日のズレがあるため、中秋節は毎年違う日になります。
2023年の中秋節
9月29日(金)
2024年の中秋節
9月17日(火)
2025年の中秋節
10月6日(月)
2026年の中秋節
9月25日(金)
2027年の中秋節
9月15日(水)
中秋節の風習、習慣
中秋節は、中国に起源を持つ東アジア全体の伝統的な行事です。地域ごとに異なる習わしがあります。
中国・マレーシア・ベトナムでは
たとえば中国では、中秋節に月餅を食べます。どこも欠けていない満月は家族円満、その形に似た丸い月餅は一家団らんの象徴として好んで食べられました。中月餅を食べる習慣はマレーシアやベトナムにもあります。
月餅
韓国の中秋節の料理
韓国では、中秋節に「秋夕の茶礼床」という料理を用意する習慣があります。多品目の料理でご先祖様を敬う習慣のある韓国では、中秋節の料理もまた豪華で手の込んだものです。
2022年、その準備のための家族の負担や経済的負担を軽減するため、韓国政府が中秋節の料理を簡素化する標準案を公式に策定しました。
「優れた礼儀は簡素である(大礼必簡)」という儒教の経典を引用し、ご先祖を敬う気持ちは料理の数で決まるわけではないという言葉を添え、伝統を重んじたいという心と現代事情との融和を促したとか。
台湾ではフルーツを
台湾の中秋節では月餅も食べられますが、「文旦(ぶんたん)」というフルーツも欠かせません。亜熱帯の柑橘類で現地で「ゆず」と呼ばれる文旦は、ちょうど中秋節の頃に収穫されます。台湾での栽培の歴史は300年。形も丸く、色も明るい黄色。家族円満、象徴の日に食卓に並べるのはもってこいの食材ですね。
長崎県や日本全国では
中国の文化と歴史的に関わりが深い長崎では、中秋節に長崎中華街に黄色い提灯が一斉に灯されます。黄色の提灯を満月に見立て、通りには中国獅子舞や龍踊りなど異国情緒溢れる催しで賑わいます。
長崎中華街の中秋節
月が見える場所にすすきを飾り、団子や里芋、サツマイモ、果物など秋の収穫物をお供えするのが一般的です。お団子は、関東では丸いお団子をピラミッド型に重ねてお供えするのが一般的ですが、関西地方では白いもちにあんこを巻いた里芋形が、また沖縄では吹上餅(ふちゃぎ)という塩茹での小豆をまぶしたお餅をお供えする習わしがあります。
里芋形のお月見団子
ふちゃぎ
以上、中秋節についてでした。秋の満月にまつわる伝統は、家族団らんや収穫への感謝という気持ちを基点に、国を超えてつながっていました。
written by ヒノキブンコ