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メダカの飼い方〜日本人に身近なメダカのことを知ろう

童謡「メダカの学校」でも親しまれ、私たち日本人に身近なメダカ。

ホームセンターなどではヒメダカなど多くの品種が売られていて、飼育しやすい魚です。

一方、野生のメダカはというと、生息数が大幅に減り、今は絶滅危惧種に指定されています。

今回は、そんなメダカの種類や飼育方法、野生メダカの現状を解説します。

メダカとは?

メダカは水田や用水路、河川の淀みや小川など、緩い流れで生息する全長2~4cmほどの小魚。ミジンコなどの動物プランクトンやボウフラ(蚊の幼虫)が大好物です。

メダカのオスとメスの見分け方

尻びれで見分けます。オスはメスに比べて、尻びれ(お腹の後ろ辺りのひれ)が大きく平行四辺形に近い形をしています。

メダカのオスとメスの区別
メダカのオスとメスの区別

カダヤシとの見分け方

メダカと大きさも姿もよく似た魚に『カダヤシ』という魚がいます。外来種であるカダヤシはその分布を広げていて、メダカが生息する環境でもしばしば見られるようになりました。そのため、メダカと思い込んでカダヤシを飼育しているケースもあるようです。 この2種類の見分け方も、やはり尻びれの形で区別します。尻びれが丸かったり細長かったら、カダヤシです。

メダカとカダヤシの違い
メダカとカダヤシの違い

メダカの種類

メダカは、野生のメダカと品種改良されたメダカに大別できます。

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野生のメダカ「クロメダカ」

野生のメダカは黒っぽい体をしているのでクロメダカとも呼ばれています。

野生のメダカは千葉、茨城など広い水田が広がる平野部では今も普通に見られるものの、地域によっては数を減らし、ほとんど見かけなくなった場所も多くあります。

山梨もそのひとつです。今はめったに見かけることはありません。環境庁(当時)は1999年、絶滅の恐れがあるとして、メダカを絶滅危惧種に指定しました。減少した原因は、農薬や水田用水路のコンクリート化、ブルーギルなどの外来種の増加が考えられています。

メダカは絶滅危惧種
メダカは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている

クロメダカを上から覗くと、黒い筋が目立つので、これが見分けポイントになります。

野生のメダカの見分け方
野生のメダカは上から見ると黒線が目立つ

長年、日本に生息する野生メダカは1種と考えられてきましたが、2011年に兵庫県以北の日本海側から青森県に生息するメダカは別種と判明。日本の在来のメダカは「キタノメダカ」と「ミナミメダカ」に分けられました。 日本海側の一部にキタノメダカが分布し、それ以外の地域にミナミメダカが分布します(下図)。山梨県のメダカはミナミメダカです。

野生のメダカには「キタノメダカ」と「ミナミメダカ」がいる
野生のメダカ、「キタノメダカ」と「ミナミメダカ」の分布

品種改良されたメダカの種類

ヒメダカ
ホームセンターやペットショップでよく売られている身近なメダカ。突然変異で黒色色素を欠いたため、野生のメダカ特有の黒みが消え、淡い黄色の体色を持つように。江戸時代からすでに観賞用として親しまれてきました。

楊貴妃
濃いオレンジ色、部分的に朱色に輝くメダカ。サイズを知らされなければ、まるで金魚のようです。

メダカの品種、楊貴妃
メダカの品種、楊貴妃

青メダカ
黄色色素を欠損したため、青みがかって見えるメダカ。青い色素を持っているわけではなく、実際には淡い灰色に近い体色。

白メダカ
黒色色素や黄色色素を欠損したり、白色色素を強く持っているため、白く見えるメダカ。

メダカの飼い方、飼育方法~ホームセンターで全部揃う!

1. メダカの水槽

ガラスの水槽、水がめ、スイレン鉢など、好きなタイプを選びましょう。 目安としては、1Lで1〜2匹、30cm水槽(水量10〜20L)なら10〜30匹くらい飼えます。

ただし、産卵もさせて増やしたいと考えているなら、大きめの水槽がおすすめでしょう。

ペットショップやホームセンターで購入したメダカは絶対に放流してはいけません。野生化して定着してしまったり、本来の野生のメダカと交雑してしまう可能性があるからです。知人に譲るか、寿命を全うするまで飼ってあげてください。
実はそうとも言えません。黒く品種改良されたメダカもいるからです。また、たとえ野生のメダカだとしても上述のとおり2種が地域で分かれて分布しているため、地域の遺伝的多様性を乱す恐れがあるため、身近な川にメダカを放流することはできません。 もしも、専門家によりその地域在来の野生メダカであることが分かっていて、それを飼育し、飼育期間中に他のメダカに交雑していないことが分かっていれば、放流してもいいのかもしれませんが、それも専門家に相談の上でということになるでしょう。
メダカ鉢での飼育
スイレン鉢でのメダカ飼育

2. メダカの砂、焼き砂

ホームセンターなどで売っている「焼き砂」を使うといいでしょう。焼き砂は400度以上で加熱した砂。雑草の種などの発生が抑えられているため、その後の水草のレイアウトがしやすいなどのメリットがあります。

砂色チョイスで水槽の雰囲気が変わります。白っぽい砂にすれば、メダカの姿の視認性がよく楽しく眺められます。暗めの砂にすれば小川の川底など自然っぽい雰囲気を醸し出せるでしょう。

3. メダカの水

水道水には塩素が含まれるため、まずは塩素を取り除く必要があります。メダカにこの塩素が有毒だからです。ホームセンターなどに塩素中和剤(カルキ抜き)が売っていますので、これを使います。中和自体は手軽に終わり、置き水などはとくに必要ありません。

4. メダカの水草

水槽に砂と水を入れたら、次は水草です。水草はメダカの隠れ家や産卵場所を提供してくれます。
マツモやホテイソウ、オオカナダモなどホームセンターに売っている一般的な水草でOK。

石や流木も入れて、メダカが落ち着く環境にしてあげるのもいいでしょう。

5. メダカ飼育にポンプやフィルター、ヒーターは必要?

メダカは水質や水温変化に強い丈夫な魚。ヒーターを使わなくても、屋内、野外問わず一年を通して飼育できます。

水換えや水槽の掃除を定期的に行えば、ポンプやフィルターも必要ありません。もちろんポンプやフィルターを使えば、メダカの排泄物などによる水槽の汚れが起こりにくくなるメリットがあります。

6. メダカを入れる

どんなメダカを飼おうかな・・・メダカの品種選びも楽しみの1つですね。今はホームセンターやペットショップに実に多くの品種が売られています。何軒かお店をまわって、お気に入りのメダカを見つけるのもいいでしょう♪

7. 卵が生まれたらやってあげること

メダカの産卵期は4~10月。1年の半分近くの季節でメダカは卵を産みます。産卵のために、とくに難しいケアをする必要もありません。

しかし、卵がメダカの親に食べられてしまうことが多いです。そのため、卵が産み付けられた水草ごと別容器に移してふ化させ、稚魚用のエサで育てます。稚魚用のエサもホームセンターで売っています。親メダカの半分くらいの大きさになったら元の水槽に戻してあげましょう。

メダカの卵、メダカの飼い方
卵を食べようとするメダカ

以上、「メダカの飼い方〜メダカのことを知ろう」でした。暮らしのそばで泳ぐメダカは、私たちの気持ちを癒やしてくれます。ぜひあなたもメダカを飼ってみてはいかがでしょうか?

written by ヒノキブンコ

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