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ハクビシン|⾒分けや被害・対策などを解説

ハクビシンの写真
街に現れたハクビシン。眉間の白線が見分けポイント(出典:ACphoto)

ハクビシンって?

ハクビシン(白鼻芯)はその漢字が示すとおり、白い鼻筋が特徴的なネコ目ジャコウネコ科の動物です。よく見ると、眼の下にも白のアクセントが入っていて、オシャレなお顔です。 夜行性で雑食。昼は木の穴や寺社、民家の屋根裏などで眠り、夜になると果実や昆虫、鳥、小動物、魚などを探して動き出します。

外来生物として国内に分布を広げているハクビシン

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ハクビシンは台湾などから移入した外来生物。今も国内で分布を広げています。2005年頃の調査では、北海道や九州では報告例はありませんでしたが、現在はどちらも分布域になりました。

ハクビシンの分布図
ハクビシンの分布(出典:国立環境研究所侵入生物データベース)

ちなみにハクビシンは国内での報告が古くからあるため、外来種か在来種か長らく議論が続いていたそうです。それも遺伝子解析で決着がつき、台湾などから移入した外来種ということが判明しました。

ジャコウネコ科ならではの身体能力

ジャコウネコ科(ネコの仲間)とあって、木登りはとても得意。細い枝でも平気で登ります。ちなみにハクビシンと姿が似ているタヌキは、イヌ科なので木登りは苦手です。

ハクビシンの見分け
枝の先まで登るハクビシン。ジャコウネコ科とあって木登りが得意(出典:ACphoto)

このハクビシンの高い身体能力が人々の暮らしに問題を引き起こしています。

家の屋根裏に侵入〜ハクビシンの被害や危険性

ハクビシンはその身体能力により、木や電柱、電線を伝って民家の屋根や屋根裏に入り込みます。寺社や古民家などすき間が多い家ならなおさら。屋根裏に棲みついてふん(糞)害を起こすことも。ハクビシンはふんを決まった場所にする習性があるため、悪臭問題や天井材・床材の腐食など家屋被害を受けることがあります。 筆者も古民家(山梨県)に住んでいますが、去年、屋根裏に2箇所、幅40〜50cmほどのハクビシンのふん溜めを発見。苦々しい思いで撤去しました。

ハクビシンの被害
天井裏から顔を出すハクビシン(出典:Adobestock)

また、ハクビシンによる農作物被害も報告されています。ハクビシンは、柿、みかん、さくらんぼ、もも、ぶどう、いちご、とうもろこし、スイカ、さつまいもなど、多くの果実・農産物を食べるため、被害が広範囲に広がりやすいのです。 もしハクビシンと遭遇しても、近づいたり、触ろうとしてはいけません。向こうも必死。その俊敏な身をひるがえし、噛みつくことがあります。ハクビシンは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」により捕獲できません。ひとたび野生化した動物と人間が共存していくには、一定の距離が必要で、餌を与えないように、と自治体などが呼びかけています。

ハクビシンの対策

屋根裏などにハクビシンの侵入の形跡を認めたら、大工さんや工務店さん、ハウスメーカーに相談するのがいいでしょう。

手順としては、まずハクビシン用の駆除忌避剤、超音波発生装置などで家から追い払います。また、足跡などを探して侵入口を探し、そこを完全に塞ぎ、再び入ってこないようにします。事前に、疑わしい箇所を見つけたら、そこに石灰を撒いておき、後日その周辺に白い足跡がついていれば、そこが進入口と確かめることができます。ハクビシンは、換気口、屋根瓦のすき間、基礎の通風口などから出入りします。 また、ハクビシンを家の周りに寄りつかせないためには、庭に生ごみを埋めない、 ペットフードを外に置かない、畑や庭木の果実や野菜を残しておかないことが大事です。

以上。『ハクビシン〜ジャコウネコ科とあって木登りが得意。屋根裏の被害が多発』でした。これで、もしハクビシンを見かけても、タヌキと間違えることはないでしょう!

Article written by ヒノキブンコ

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