セイタカアワダチソウという外来種植物
全国に大繁殖する外来生物、セイタカアワダチソウ。
この植物は、近年、山梨でも畑や道ばたで群落となって黄色い小さな花をたくさん咲かせる様子を見かけるようになりました。
今回は、そんな身近な帰化植物、セイタカアワダチソウをご紹介します。
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セイタカアワダチソウとは
セイタカアワダチソウとは北アメリカ原産のキク科の多年草で、日本国内ではススキなどの在来種と競合しながらその分布域を増やしています。空地や道路脇、休耕地や土手、河川敷に大群落を作ります。
明治時代に北アメリカから日本国内に持ち込まれ、昭和時代に本州以西の本州に広がった外来種であり、帰化植物です。その繁殖力の強さから、『生態系被害防止外来種リスト(旧 要注意外来生物)』(環境省)と『日本の侵略的外来種ワースト100』(日本生態学会)に掲載されています。
なぜ繁殖力が強いか?
それには、2つの理由があります。 2つ目は、アレロパシー物質という武器を持っているからです。アレロパシーとは植物が化学物質を地下茎などから放出して、周囲の植物の生育を阻害する作用のことで、菌が抗生物質を出すのに似ています。 どうやらサクラやヨモギ、ソバなどもアレロパシー物質を出すようですが、まだ分からないことも多いようです。セイタカアワダチソウについては研究が進んでおり、「cis一デヒドロマトリカリアエステル」という化学物質を地下茎から放出して、ススキなどに生育阻害を与えることが分かっています。 そうなると、日本の陸地がセイタカアワダチソウだらけになってしまいそうですが、話はそう簡単でもないようです。 以上、セイタカアワダチソウのご紹介でした。 記事の続きはこちらから
1つ目は、地下茎と種子で増えることができるからです。多年草として地下茎と種子の両方で増えるので、繁殖力が高いのです。
そのため、ひとたびセイタカアワダチソウが増え始めると、その場所で在来植物が生育しにくくなり、その隙に大繁殖するというわけです。セイタカアワダチソウが衰退し、在来種優勢に戻ることも
セイタカアワダチソウが長い期間成長を続けることで、ライバルへ向けて出したはずのアレロパシー物質がその土に蓄積してしまい、結果として自身の種子の発芽を妨げてしまう、その結果セイタカアワダチソウが衰退するケースがあります。そのあと、ススキなど在来植物が優勢となることがあります。
セイタカアワダチソウの一斉排除は難しいですが、植生遷移を重ね、在来植物と帰化植物を含めた新しい自然生態系が成立しつつあるようです。