山の焙煎所(笛吹市一宮町)
桃の里・笛吹市一宮町に、コーヒー専門店が誕生
桃の一大産地である笛吹市一宮町。山梨県内では最も古い神社のひとつとして知られる甲斐國一宮 浅間神社の近くに「山の焙煎所」はあります。豊かな大自然にポツンと構える山小屋のような存在をイメージして造ったという店舗は、2021年冬のオープン以来、遠方からの常連客も増えています。
「コーヒー豆は主に標高の高い地域で栽培されています。『山の焙煎所』を通して、コーヒー豆の生産地や風景に思いを馳せて欲しいです。特に山梨県は果物などの生産者も多いため、現地の現状をより身近に感じていただけると思っています。」とオーナー・菊島 高広さんは話します。
「コーヒー専門店」としてオープンした理由の一つには、コーヒー豆が作られる背景を訪れた人々にも知って欲しい、という秘めたる思いがありました。
自分好みのコーヒー豆を、贅沢な空間で選び焙煎
「山の焙煎所」では、世界中から厳選されたコーヒー豆50種類以上の中から、好きな生豆を選び、好みの焙煎を選択することができます。様々なコーヒーを試飲しながら、豊富な知識を持つスタッフが、訪れた人それぞれに合った豆を提案してくれます。自分に合うコーヒーはどんなものなのか、スタッフと一緒に選んでいくことで意外な好みが見つかるかもしれません。
選んだ生豆を、店のシンボルとなっている日本製の焙煎機の前で出来上がるのを待ちます。山梨では珍しい熱風式焙煎機は、一般的なガス式と比較し、焼け殻が出ないため焦げ臭さがなく、コーヒー豆本来の香りや味わいを楽しむことができるといいます。
「一回に焙煎できる量はガス式焙煎機に比べて圧倒的に少ないです。一見効率は悪いですが、自身で選んだマイコーヒー豆を数十分見守りながら待つ時間は、田舎ののんびりとした空間だからこそできると思っています。」と菊島さんは言います。
目の前で自身が選んだコーヒーが育っていく様子を見守る時間は、究極の贅沢を味わうひとときになります。
ここだからこそできる特別な価値を届ける
「山の焙煎所」はコロナの真っ只中オープンしました。地元の人々にとって「コーヒー焙煎所」という存在は馴染みがなく、受け入れてもらうのが難しかったと菊島さんは振り返ります。
そんな状況でも、「コーヒーの素晴らしさを知ってもらい、世界中のコーヒー豆を揃えることでコロナ禍でも旅行をしている気分を味わって欲しい」との思いで、新たな地域のハブとして一歩ずつ関係を築いてきました。
店内には、ドライフラワーショップ「ビヨルク」が併設されています。「若い人たちが活躍する機会をつくりたい」という熱意から、笛吹市春日居町で独立を目指す「菓子屋touri」の焼き菓子も置いています。今後も、ここだからこそ届けられる特別な価値を、県内外問わず提供していきたいと話す菊池さんの目は、遠く未来を見据えていました。
自分好みの特別なコーヒー豆を探しに「山の焙煎所」を訪れてみてください。
Article written by VALEM co., ltd.
山の焙煎所
山梨県笛吹市一宮町末木677
※詳細は下記URLを参照してください。
https://yamanobaisen.official.ec/
Instagram:yamano_baisenjo