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山梨の魅力を伝え、役者として山梨の人に胸を張ってもらえるように。~白須慶子さんインタビュー~(Actress Shirasu Keiko)

 山梨県都留市出身の女優として活動する白須慶子さん。NHK朝ドラの「半分、青い」や大河ドラマ「西郷どん」に出演するなど活躍しています。地元山梨を離れ東京を拠点にしながらも出身の都留市を始め山梨の応援を受け、やまなし大使やジュエリー大使など地域貢献活動にも力を入れています。そんな白須さんに女優を志したきっかけや仕事についてインタビューしました。

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山梨の人に誇ってもらえる役者を目指す

―NHKの大河ドラマ「西郷どん」など、注目作に出演されるなど活躍されている白須さんですが、まず、どのようにして女優として生きていくに至ったのか、そのきっかけをお聞きしたいです。

白須慶子(以下:白須):大きな転機となったのは甲府の信玄公祭りのなかで行われる「湖衣姫コンテスト」ですね。信玄公の側室である湖衣姫に仮装し、誰が湖衣姫にふさわしいかを審査するイベントです。その年のグランプリに選んでいただいて、偶然、当時のKADOKAWAの社長がいらしていて、副賞として特番ドラマの配役を提供してくださったんです。

―その副賞はすごいですね。それまではどのように過ごしていたのでしょうか。

白須:ちょうど20歳だったので記念として出たコンテストだったんですよ。女優を目指すことは夢にも思っていなくて。ずっと看護士になることが夢で、甲府の看護学校で看護士の勉強をしていました。そのかたわら、アルバイトでブライダルの仕事をしていました。看護士は人の命に寄り添うことが多く、生死に関わる場面にも直面します。ブライダルの仕事では人生の幸せな場面に立ち会うという対照的な性格の仕事に触れていたこともあって「わたしはこのままでいいのだろうか」と葛藤していました。

―漠然と将来のことが不安になっているときに湖衣姫コンテストでグランプリに選ばれて、新しい道を見つけたと。

白須:ですが、そのときはいいことばかりではなくて、看護の学校では孤立した存在になってしまったんです。みんな資格試験のために頑張っていて、同じ方向を向いているのに、わたしひとりだけ違う方を向いている。そのようなレッテルを貼られてしまい、先生からも厳しい目を向けられることになってしまいました。

役を演じる楽しさを知ることができた

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―自分が身を置いている環境に理解されないのは辛いですよね。そんななかで白須さんはどのように進むべき道を決めたのでしょうか?

白須:親が行かせてくれた看護学校ですから、辛かったですがちゃんと卒業はしました。その後は甲府で就職して1年ほど、事務職として会社で働いていました。何をしようか、どうしようか自分を見つめ直す時間でした。ブライダルの仕事への転向も考えていたんですが、先にお話した「湖衣姫コンテスト」の副賞で大きな役をいただけたんです。そのおかげで役を演じる楽しさを知ることができました。

―そのとき、まだ白須さんは事務所には所属していませんよね。地方で社会人をしながら役者としてのキャリアをスタートさせたのですか?

白須:そうですね。働きながら自主的に演技のワークショップに東京まで通って、そこで演技指導を行っている監督さんが評価してくださって本格的に演技の道を志しました。下積みとして、役者だけでなく番組レポーターなど、人づてにテレビ出演のお仕事をもらえるようになり、現場を重ねているうちに今の事務所に巡り合いました。

経験がメリットとして役に活きている

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―白須さんの出演作を拝見すると大河ドラマや時代劇が多いイメージがありますが、これは白須さん自身の意向やパーソナリティが反映されているのでしょうか?

白須:祖父、祖母の影響もあってもともと時代劇、歴史モノが好きなんです。3歳から日本舞踊を習っていたので人前で演じることや着物を着たときの所作なども、今の自分の演技に活かされていると思います。ずっと続けていくうちに自分の好きなこと、やるべきことが見えてきて、ちょっとした1シーンの役でも自分がやりたいと思える役なら積極的にやろうと心がけています。弓道や薙刀を習っていた経験も、時代劇や大河ドラマに活きていますね。看護の勉強をしていたこともあって、看護士の役をいただくことも多いんですよ。当時は厳しい環境で辛かったんですがおかげで演技指導が必要なく、その経験がメリットとして活きています。

―演技の道に進んだのも「湖衣姫コンテスト」がきっかけで、時代劇、大河ドラマにつながり、過去の経験が与えられる役につながっているというのは素敵な巡り合わせですね。

白須:今では過去を振り返って感謝できるようになりました。「湖衣姫コンテスト」の審査員がデザイナーの桂由美先生だったんですが、「顔で選んでいない。着物の着こなしと所作がいちばん美しかった」とコメントいただいたのは衝撃的でしたよ(笑)ですが自分のしてきたことが人の目に美しいと評価してもらえたのは素直に嬉しかったです。

山梨出身の女優として胸を張りたい

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―山梨では出身である都留市の「つる大使」や「ジュエリー大使」、「やまなし大使」などさまざまなことに携わっていますね。

白須:おかげさまで山梨の方、とくに都留市の皆さんは熱心に応援してくださっていて感謝しています。山梨にまつわるイベントの司会やゲスト、さまざまな大使という肩書きをいただいているのでかたちだけではなく、具体的な活動を行っていきたいと思っています。

―具体的にこれから山梨で実現したいこと、力を入れている活動などはありますか?

白須:子どもたちを対象とした朗読会を始め、最近では地域の方々と直接向き合って、交流する機会を増やしています。方言を使った朗読会も行いました。今後は教育委員会の方々と協力して地元の民話、地名の由来などを調べて演劇で伝えていく活動をして進めていきたいです。少しづつプロジェクトが動きだしていて、高校の文化祭で学生たちへの演技指導もさせていただいています。

―では最後に、山梨の方々にメッセージをお願いします。

白須:いろいろな経験を経て今ちょうど10年。自分のやりたいことがハッキリと見えてきた気がします。まだわたしは夢の途中で、メッセージというとおこがましいんですが、山梨出身の女優として認知していただけるような大きな役に挑戦できたらいいと思います。そして山梨の人に誇ってもらえるような役者になりたいですね。自分を育ててくれた地元に恩返しできるよう、山梨の魅力を伝える一端になることができれば嬉しいです。応援を宜しくお願いいたします。

Article written by VALEM co., ltd.

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白須慶子

1985年2月27日生まれ。山梨県都留市出身の女優。株式会社ぱあとなあ所属。3歳から日本舞踊を習い、弓道では国体にも出場。他にも華道や薙刀を習うなど日本の伝統文化、芸能に精通している。NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」「花子とアン」「半分、青い」や大河ドラマ「八重の桜」「西郷どん」「花燃ゆ」、時代劇「白虎隊」などに出演。テレビドラマ、映画、舞台で活躍している。地元山梨では「つる大使」や「ジュエリー大使」「やまなし大使」「山梨の日本酒大使」など地域振興、観光にまつわるアンバサダーを多数兼任。子ども向けの朗読会を開催し、学生の演技指導を務めるなど山梨の教育に関する事柄にも熱心に取り組む。無類の蛇好き。

オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/shirasu-keiko/

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