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「甲斐国一宮 淺間神社」富士山の噴火を鎮める目的として鎮座。1200年の歴史が息づく神社

865年古墳時代に創建。
富士山噴火を鎮める目的として遷宮

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笛吹市一宮町、一宮支所の東500mほどの場所に鎮座する山梨県内では最も古い神社の一つ 「甲斐国一宮 淺間(あさま)神社」。 古来より山火鎮護、農業、酒造の守護神、婚姻、子授安産の霊徳神として崇敬され、春を告げる例大祭「おみゆきさん(大神幸祭)」は現在も人々に親しまれているほか、初詣、お宮参り、七五三など、多くの人がお参りに訪れています。

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平安時代中期に編纂された日本書紀、続日本紀など六国史の一つ「日本三大実録」によると、貞観7年(865)、史上2番目の富士山の大噴火が起きたことをきっかけに、噴火を鎮める目的で山の上にあった神山の麓(現 摂社山宮神社)から富士山を神格化した神「木花咲耶姫(このはなさくやひめ)」を移し建立したと記録されています。

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「甲斐国一宮 淺間神社」からは富士山の姿が見えないにも関わらず、この地に建てられた経緯について74代目宮司・古屋真弘さんが話してくれました。
「本神社は、富士山噴火の直接の被害を受けないようにと富士山からは離れた場所に建てられました。また、富士山に精通する神社は通常、富士山に対して正面または背を向けて建立していますが、本神社の本殿は万が一の際に神様が正面から被害を受けないように、富士山に対して90度横を向いているという特徴もあります。」

火の中で子どもを出産したコノハナサクヤヒメの伝説。
ぶどう酒の神様として山梨県内ワイナリーも祈願

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淺間神社の祭神・木花開耶姫は、火中でも一人たくましく三つ子を出産したという神話から、安産、子宝の神としてお祀りされています。また、孫ができたことを大変喜んだ父君の「大山祇神(おおやまつみのかみ)」がお祝いにお酒を造ったことで、木花開耶姫は「酒造の神様」としても知られています。

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「古事記には、日本酒を造っていたと記述されていますが、木花開耶姫らが暮らしていたのは山の上。そこで山ぶどうを摘みお酒にした...と考えると、このお酒は"葡萄酒(ワイン)" だったのではないかと思いを馳せてしまいます。淺間神社は全国1,300以上ありますが、ぶどう畑が織りなすこの土地ならではの逸話にロマンを感じます。」と古屋さんは微笑ましく話します。
毎年3月半ばには、80以上ある山梨県内のワイナリーから、一升瓶ワイン等が奉納され、遠来の正式参拝者にワインの御神酒が振る舞われます。

「産地」を活かした取り組み。
古いものを伝えるために、新しいものを創造し伝えていきたい

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本殿横には樹齢200年を超える御神木の夫婦梅があり、この実をいただくと子宝を得ると云い伝えられ授与を請うため遠近より多くの参拝者が訪れます。また、境内奥には、山梨県が誇る石屋さんの伝統技法の継承や参拝者が楽しめるようにという思いから、十二支まいりの石像、モモの形をした石を投げて厄を払う「桃之玉石投げ」が並びます。

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「神社に新しいものを作ると必ず賛否が生まれますが、歴史ある神社であるからこそ、文化の移り変わりや時代のニーズをうまく取り入れていくことが大切です。海外では神様が宿るところに人が集まるのに対して、日本では人々の生活区域に神様をお祀りするという違いがある中で、神社から歩み寄るような姿勢も求められていると感じます。神社の本姿を大切にしながら新しいものを創造していき、古き良き歴史を継承していければと考えています。」と温かな眼差しで語る古屋さん。
「産地」が色濃く反映された「甲斐国一宮 淺間神社」に足を運び、1200年の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

Article written by VALEM co., ltd.

甲斐国一宮 浅間神社
山梨県笛吹市一宮町一ノ宮1684
※詳細は下記URLを参照してください。
https://asamajinja.jp/
Instagram : asamajinja

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