スマホの代わりに、本でまちと人をつなぐ「まちライブラリー」(Connect people with books)
自然を思いっきり楽しみたい!
山梨の好きな場所でリラックスしたい!
そんな目的があったりするのに、気がつけばスマホをずっと片手に持って行動してしまいがちな私たち。
ふじのーとの読者の皆さんにもそんな方は多いのではないでしょうか?
心地よい秋風がそよぎ始めた南アルプスのぶどう栽培エリア。
ぶどう棚の下で、昼寝をしているかと思いきや、黙々と読書に没頭しています。
会社員の久米さんは、行く先々で自前で本棚を用意して、道行く人に自由に本を読んでもらう「まちライブラリー」を随時開催しているのだとか。
「本を読むのってどこでも自由じゃないですか。移動しながらできるみんなで出来るアウトドア読書を企画しようと思ったんですよね。買ってもなかなか読めない本が山積みになっちゃって困っていたんですけど、だったら移動しながら行く先々で出会った人たちとシェアしながら読めば良いか」、という(笑)
調べてみたら、実は全国的な試みだった。
木漏れ日がなんとも心地よいシャインマスカットのぶどう棚で、読書を楽しむ久米さん。たまたま立ち寄ったところ、ちょうど畑で休憩中のぶどう生産者、長谷部さんと意気投合し、この日はいきなりこちらが「まちライブラリー」になってしまった、とのこと。まるでフランスのような大らかな話です。
「日本のどこかに自分と同じようなことをやっている人も居るんじゃないかな〜、と思ったら、すでに『まちライブラリーのつくり方』なんていう本が出版されていたりして驚いたんですよ(笑) 『全国にまちライブラリーをやっている人、こんなに沢山居るんだ!』と」
森でも、公園でも、畑でも、せせらぎが聞こえる静かな河原でも、そこに本棚があればそこはもうみんなのライブラリー。まちライブラリーの主催者に登録すると、専用サイトでそれぞれの開催日や場所の検索が出来るという本格的な仕組みもあるようです。
「今って周りでも本を読む友達が思ったよりも少ないんです。本当に偶然でしたけど、これがきっかけで久米さんのような方と知り合えてよかったです。最初はびっくりしましたけど(笑)」
農作業が終わって自宅に帰ると、小説やビジネス書を読むのが日課という長谷部さんはにこやかにそう教えてくれました。
確かに、なんでも情報が手に入るスマホは便利ですが、ずっとにらめっこをしていては折角の環境を台無しにしてしまう事もあります。その場所、その時間、その空気感と一緒に読む本は、いつもと違った楽しみを感じられるのではないでしょうか。
もし街なかで本棚が置かれた不思議な空間があったら、それは誰かの「まちライブラリー」かも。
たまにはスマホはバッグにしまって、お気に入りの一冊と、あなたの好きな場所に行ってみてはいかがですか?
Article written by New Attitude