絵本作家・こいでなつこの世界(Picture book writer Natsuko's world)
山梨県北杜市在住の絵本作家、こいでなつこさん。ちいさな頃、おかあさんに絵本を読み聞かせてもらうことが大好きだったと話すこいでさんは、2018年でデビュー12年目を迎えました。
ようこそ、こいでなつこの世界へ
洋画家である父親の影響で、学生時代は油絵を描いていたというこいでさん。中学生のとき絵本の原画を見た感動が忘れられず絵本の世界へと進みました。
そんなこいでさんの絵本は、ごく身近にいる動物や虫などをモデルにした可愛らしい作品ばかり。絵本の背景には、八ヶ岳に暮らすこいでさんの日常からヒントを得た、自然や暮らしが魅力的に描かれています。
生まれ育ったまち、北杜市で活動を続けるこいでなつこさん
それでは、こいでさんの描いた絵本を少し紹介しましょう。
「いやいやアゴマスク」 ねこのアゴマスクは、お母さんに顔をゴシゴシされるのが大嫌い。歯をシャカシャカされるのも、鼻をグシュグシュされるのもいや! ぼく、よその家の子になりたいよ!と、家を飛び出しました。ほんとは自分でできるんだもんね。
思わず「あるある~」と言いたくなる日常をおもしろおかしく絵本に
「おしゃれなジャックけいぶ」
クジャクのジャックけいぶはおしゃれなけいさつかん。ひるやすみになると、ジャックけいぶはかがみをみつめます。「うむ、きょうもわたしのはねはつやつやだな、よろしい」そんなとき、じけんはっせいのでんわがなりひびき...。
「ワララちゃんのおるすばん」
ワララちゃんは、かわいいワニの女の子。ある日、お母さんが買い物に行っている間、留守番をしていると、次から次へとおそろしいお客さんが......。
こんなに多くの絵本を出版しています
このように、こいでさんの絵本は、ユーモアや夢が溢れる作品で日本中の子どもたちに愛され続けているのです。
こいでさんにとって絵本とは、繰り返し読めるものと言います。1ページ、2ページ...パラリとめくるたびに楽しい世界が飛び込んでくる絵本、わくわくするしドキドキもする、たまには読み返したくなる。
そんな絵本は、子どもたちの大好きなものをいっぱい詰め込んだ紙の中に広がるファンタジーの世界なのです。
「大人が真剣になって、子どもの喜ぶ反応を見るために制作をしているんです。」と笑うこいでさん。
「子どもって、感想は言わないんですよね。絵本を開いたときの反応がすべてだなって感じるんです。」と続けます。
その反応が楽しみで、大勢の大人たちが一冊の絵本を作っているんだと思うと教えてくれました。
絵本から飛び出したマトリョーシカ
また2017年には、絵本だけでなく「マトリョーシカ展」を初めて開催しました。
「こんなのがあったらいいな?」という単純なきっかけから製作に取り組んだこいでさん。
飼っているペットやこれまで絵本に登場した動物のキャラクターをモチーフに、それぞれの作品に小さなテーマを持たせたなんともかわいいマトリョーシカは、訪れる人を虜にさせ、今ではオリジナルオーダーの製作依頼が来るまでに発展しています。
色々なキャラクターが登場する贅沢な作品も!
一体ずつ違う虫を持つ姿がかわいすぎる〜
このように、こいでさんの作品は絵本を通じて子どもも大人も一緒になって想像をふくらましていける世界です。
いくつになっても、いつまでも手の中で繰り広げられる夢物語は、幼かった頃のままではなく、成長してからも続く自由な世界だということを教えてくれたような気がします。
こいでなつこさんが暮らす八ヶ岳の風景
Article written by New Attitude
こいでなつこ
1984年山梨県生まれ。女子美術大学中退後、絵本ワークショップ『あとさき塾』にて絵本を学ぶ。八ヶ岳山麓で暮らし、身近な自然を題材に創作活動をつづける。主な作品に『こわーい おつかい』(文・内田麟太郎 あかね書房)『チュッパカホワホワ』『するめの するりのすけ』(ともにあかね書房)『いやいやアゴマスク』(岩崎書店)『ワララちゃんのおるすばん』(佼成出版社)がある。
ギャラリーこいで
北杜市長坂町長坂上条1852-22
TEL 0551-32-7034
※詳細は下記リンクを参照してください
https://koide-g.jimdo.com/