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アナグマとは?〜狢(むじな)と言われた日本固有の在来種。見分けや出会ったときの注意点

アナグマは日本に古くから生息する在来種。タヌキと似ていて、実際昔からしっかり区別されずにまとめて「狢(ムジナ)」と呼ばれてきました。そんなアナグマについて、見分け方や生態、出会ったときの注意点についてご紹介します。

アナグマとは?食べ物は?

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アナグマ(ニホンアナグマ、学名Meles anakuma)は体長40〜60cm、日本固有の在来種です。熊(クマ科)の仲間ではなくイタチの仲間。縦に黒いアイシャドウを入れたような目が特徴的です。アナグマという名前が付けられているように、地面に巣穴を掘ってそこをねぐらにして子育てをします。

山地、里山、自然が残る大きな公園で見られ、雑食性で、甲虫やミミズ、どんぐり、果実を食べます。地域・個体によっては冬眠することが知られています。

アナグマの生息地

生息地は本州、四国、九州。北海道と沖縄には生息しません。九州や中国地方でとくに多く、東北地方や一部中部地方では生息数が少ない傾向があります。

アナグマの気性は荒い?危険?人を襲う?

アライグマハクビシン・・・この手の格好の動物はなんだか気性が荒く、怖いイメージがありますが、アナグマもやはりそうなのでしょうか?

いえ、アナグマはどちらかというと性格は温厚で、他の動物とあまりケンカをせず、静かに暮らす傾向があります。人間が近づいてもすぐに威嚇したり慌てて逃げたりせず、落ち着いていることが多いです。


実際に筆者も韮崎の運動公園をランニング中、アナグマに遭遇したことがあります。電灯の明かりが頼りの薄暗い時間帯だったこともあり、私がアナグマに気づいたときには2、3メートルとすぐ近くでした。それでも向こうはまだ私に気づいていない様子だったので、アナグマは目が悪くて鈍感かもしれません。ずんぐりした体を左右に揺らしながらゆったり走る姿はなんとも愛嬌がありました。

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それでも野生動物ですから、気安く近づくべきではありません。防衛本能から、向かってくる敵にはその鋭い爪と牙で一矢報いるのが野生に暮らすものの性(さが)なためです。

とりわけ繁殖期(4〜6月)は気性が荒く、住民や児童が指や足を噛まれたりする事故が実際に起こっています。予期せぬ近距離での遭遇やイヌの散歩などで犬が威嚇した場合などは危険なので、すぐに距離をとってなるべく刺激しないようにしましょう。

アナグマの見分け方〜タヌキハクビシン、アライグマとどう違う?

アナグマと似ている動物はタヌキ、ハクビシン、アライグマです。どれも日本で一般的に見られる動物ですが、見分けポイントを知っていれば区別は容易です。以下の図にまとめました。

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アナグマが関係することわざ

アナグマは外来種のハクビシンやアライグマとは違い、日本に昔から生息するため、キツネやタヌキと同じく昔話やことわざに登場します。

【同じ穴のムジナ】・・・違うように見えて同じ仲間、裏でつながっている、ということわざ。ムジナ(狢)とはアナグマやタヌキなどを指す言葉で、アナグマが掘った同じ穴をタヌキなども使うこともあることからことわざが生まれたようです。ムジナが人を化かす動物として昔話に登場するように、このことわざも悪事などでつながっている様子を揶揄するときに使われます。

【狸寝入り】・・・タヌキやアナグマは薄目を開けて周りを見ながら死んだふりをする習性があります(擬死行動)。これが「寝たふり」を現す言葉として定着しました。タヌキとアナグマが明確に区別されていなかった昔に生まれた言葉ですから、狸寝入りがタヌキのことを指していたのかアナグマのことを指していたのか今となっては分かりません。

アナグマのお肉は絶品

昔からアナグマが食料として利用され、今はジビエとして希少ですが販売されています。とくに秋から冬にかけてのアナグマのお肉は絶品で、脂がよくのり、その脂がしつこくなく軽やかで香りよく、旨みが濃いとされます。

今はこんにゃくで作る精進料理として知られる「タヌキ汁」ですが、昔はタヌキやアナグマなどムジナのお肉で作る汁物でした。アナグマを使ったタヌキ汁は美味しい、という記録が残されています(出典:佐藤隆三『狸考』郷土研究社、1934年、p23)。



以上、「アナグマとは?〜狢(むじな)と言われた日本固有の在来種」でした。様々な外来種が入ってくる中で、アナグマは変わらず静かにたくましく暮らしを続けていました。




Article written by ヒノキブンコ

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