タチウオ(太刀魚)って?〜漁師が選ぶ最も美味しい魚。山梨からも身近なタチウオ釣り
タチウオ(太刀魚)というお魚を知っていますか?
山梨ではあまり馴染みがない名前ですが、海に近い地域では美味しい魚として知られています。獲れる魚種が豊富な徳島県でも、漁師さんを対象としたアンケート「旨い魚ランキング(総数516票)」*にて、マダイやハモ、クエなど高級魚を抑えてタチウオが1位に選ばれています。
*『漁師さんが選ぶ!旨い魚たち』魚ランキング
出典:https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kurashi/shohiseikatsu/2006121300010/
そんな美味しいタチウオですが、実は山梨からそう遠くない海で釣れるんですよ!
タチウオ(太刀魚)とは?
英名、サーベルフィッシュ(sabelfish)。サーベルとは西洋剣のこと。和名、タチウオ(太刀魚)の由来も太刀という長い刀剣(ただし、諸説あり)。別々の場所で同じ名前が付いたのはその強烈なフォルムのせいですが、進化学ではこういう一致を収斂と呼びます。
鱗を持たず、素手で持つと指紋が残るほど繊細な体を持つタチウオは、鮮度が落ちると急速に味が落ちてしまう魚です。そのため、タチウオの本当のおいしさを知るのは漁師と釣り人だけ、とも。
タチウオの料理
塩焼き、ムニエル、煮付け、唐揚げで美味しい魚ですが、とりわけ刺身が絶品です。
タチウオは3枚に下ろしますが、薄い皮ごと刺身にするのが特徴。皮身近くに甘味があるからです。ぶどうも桃も皮の近くに甘味がありますからね!
歯応えのいいコリコリとした噛み心地と、くせのない脂が特徴。まるで真鯛のような上品な甘みとトロのような脂の濃厚さを同時に味わっているような気分。さっぱりしているのに濃い!醤油に身を浸すと、きめ細かな脂の粒がさっと広がるのが分かります。
わさび醤油もいいし、レモン汁と醤油を1:1で合わせてもよし。そのおいしさに、ご飯を口に運ぶのを忘れてしまいそう。
塩焼きもタチウオ本来のおいしさをシンプルに味わえる食べ方。ホロホロとほどけていくような身の食感とタチウオ特有の香ばしい脂の風味が堪能できます。
タチウオのムニエルも人気。片栗粉をまぶして焼いて身崩れを防いで香ばしく焼き上げます。レモンバターソースやトマト、バジルと合わせれば、濃厚な旨みがさっぱりと引き立てられます。
タチウオ、実はお隣り静岡県でよく釣れる!
タチウオ、実はお隣り静岡県でよく釣れる!
タチウオは春先の時期は釣れにくくなりますが、基本的に一年中釣れる魚です。10月前後がベストシーズン、冬は大型が狙えます。
タチウオの釣り方(エサ釣り・ルアー)
タチウオは堤防や海岸から釣れます。釣り方もそれほど複雑ではありません。
下の図は堤防からタチウオを釣るための仕掛けの一例です。初めての方は、山梨の釣具屋さんで「タチウオを釣りたいのですが」と相談してみるといいでしょう。サーフ(海岸)なら、遠投竿が必要となります。
釣るコツですが、海の中に3階建ての竜宮城があると思ってください。3階→2階→1階と順番に挨拶していく感じです。その日の潮加減、季節、水温でタチウオがいる層は変わります。これを「棚」と言います。タチウオはすべての層に広がって泳いでいるわけではなく、ある層を中心に横に広がっています。そのため、タチウオがいる層に餌やルアーを届けられるかどうかがポイントになります。
釣れたら注意しなければいけないことがあります。それはタチウオに噛まれないこと。噛まれると長く鋭い歯がサクッと指に刺さって怪我をします。
※ライフジャケットを着用して釣りをします。また、釣りが許可されたエリアで行いましょう。駐車禁止の場所に駐車しての釣りはやめましょう。釣り人のルール違反が続いて、そのエリアが釣り禁止になってしまうケースが相次いでいますので、ルールを守って釣りをしましょう。
タチウオの鮮度を保つため
タチウオを釣ったら、鮮度を保つことが大切です。
山梨に戻る間にどうしても鮮度は落ちてしまいますが、なるべく新鮮なまま持ち帰るために氷を入れたクーラーボックスに入れて持ち帰りましょう。
直接氷に長時間当てると氷焼けで身が白くなり味が落ちてしまうので、ビニール袋や新聞紙に包んで、直接氷に当てないようにします。
準備が整ったら、さあ出かけましょう!釣れるといいですね!
written by ヒノキブンコ