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登山者を魅了してやまない山梨の名峰【前編】

この記事の目次

山梨は富士山や第二峰北岳など名峰に抱かれた国内屈指の山岳県。その地形や文化の希少さは、世界遺産(富士山)、南アルプスユネスコパーク、甲武信ユネスコパークなど、お墨付き。そんな山梨には、登山ファンが愛してやまない名峰が多くあります。 ここでは、登山が趣味の方、これから登山を始めたいと思っている方へ、「登山ファンを魅了する山梨のいい山」をご紹介します。

※登山は危険を伴う行為です。ご自身の技量にあった計画を立てて、安全な登山を心がけましょう。山梨の山グレーディングもぜひご参考ください。

※ 2019年の台風19号などの影響で、山域により登山道やアプローチの道路は、場所によって通行が困難である可能性があります。必ず事前に山荘や行政に確認してください。

日向山 〜深山の先にある天空のビーチ~

Tozan_1_01.jpg白砂の日向山。奥の山は八ヶ岳

南アルプス北部に位置する日向山(ひなたやま、1,660m)は、山頂付近で突如として白砂が広がるため、天空のビーチと称されます。理由は、花崗岩が露出し、風化・堆積が進んだため。真っ白い地面と八ヶ岳のど迫力な眺めが、訪れた人の心を澄み渡らせます。

あまり標高は高くないものの、高山さながらのパノラマを楽しめるため、登山初心者やファミリー登山に広く人気です。

赤岳(八ヶ岳) 〜日本の高山を多く眺望できる場所~

Tozan_1_02.jpg急峻な赤岳とその向こうに見える南アルプス連峰

八ヶ岳連峰の最高峰である赤岳(あかだけ、2,899m)は、その景色の広さで国内随一。日本の高山がほとんど見られる場所とも言われて、天気に恵まれれば、富士山、南アルプス、中央アルプス、北アルプス、御嶽山など日本の名峰を一度に見渡すことができます。

なぜこれだけの高山が眺められるかというと、八ヶ岳が噴火でできた独立峰だから。独立峰といえば富士山もそうですが、八ヶ岳は南アルプスや北アルプスにより近い場所にあるため、これほどの眺望が得られるというわけです。

赤岳は美濃戸口から登るのが一般的ですが、野辺山から県界尾根を登るルート、美し森から真教寺尾根から登るルートもあります。ただし、こちらは上級者向けなので技量に合った判断が必要です。

大菩薩嶺・大菩薩峠 〜プレートテクトニクスを実感できる場所~

Tozan_1_03.jpg大菩薩峠から眺める南アルプス

奥秩父山塊にある大菩薩嶺(だいぼさつれい、2,057m)と大菩薩峠。ひとたび尾根に上がれば、南アルプスの大パノラマにしばし目を奪われることでしょう。それは、高い山々が壁のように連なる光景。筆者は甲府盆地出身ですが、盆地のどこからもこんな光景を見ることはできません。北上するフィリピン海プレートと太平洋プレートがせめぎ合って生まれた景色、まさに地球の脈動です。

しっかりとした準備は必要ですが、比較的短時間で山頂にいけるため、日向山と同様に登山ファンを量産している山かと思われます。

※大菩薩峠からの眺望がおすすめです。大菩薩峠から大菩薩嶺までは1時間程度です。

北岳 〜宝石のような高山植物多数~

Tozan_1_04.jpg北岳と北岳山莊

南アルプスにある北岳(きただけ,3,193m)は富士山に次ぎ、日本第2位の山。キタダケソウやタカネマンテマなど北岳にだけ咲く高山植物があったり、クライマー憧れの北岳バットレス(という巨大な岩稜)があったりと、多くの登山者を魅了するまさに名峰です。

仙丈ヶ岳 〜高所のお花畑~

Tozan_1_05.jpg仙丈ヶ岳とカール

南アルプスに位置する仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ、せんじょうだけ、3,033m)は、シーズンには高山植物が広がり、また雷鳥に出会う確率も高い、いかにも日本の高山らしい山です。

なかでも、シーズン中のお花畑は圧巻。小さな黄色の花弁がかわいいミヤマダイコンソウ、鮮やかな紫の花を垂れるチシマギキョウ、地面から梅の花がひょっこり顔を出しているように見えるイワウメなど、数え切れないほどの種類の高山植物を目にすることができます。

登山道も整備されており、国内の3,000m峰の中では比較的登りやすい山と言われています。

ぜひ眺めたい景色はカール。カールとは山の斜面をスプーンでえぐったような地形のことで、氷河の侵食作用で作られたお碗状の谷を指します。仙丈ヶ岳では大きなカールが複数見られます。

登頂ルートはいくつかありますが、芦安から入って北沢峠から登るルートなら、東京方面から1泊2日も可能です。

甲斐駒ヶ岳 〜気品高く迫(せ)り上がる花崗岩~

Tozan_1_06.JPG山容が力強い甲斐駒ヶ岳

もし中央線や中央道を下り方面に進むときに北杜市あたりで左手にゴツゴツした白い山が見えたなら、それは甲斐駒ケ岳(かいこまがたけ)です。

甲斐駒ケ岳(2,967m)は南アルプス北部、山梨県と長野県にまたがる山です。花崗岩で成り立つため、季節を問わず白さが際立ちます。まるでヨーロッパのアルプスのように上部は急峻で、日本百名山で有名な深田久弥も、もし(日本)10名山を選ぶとしたら、甲斐駒ケ岳を落とさないだろう、と言っています。

甲斐駒ヶ岳へは北沢峠から登るルートが一般的ですが、竹宇駒ヶ岳神社から始まる黒戸尾根を登るルートもあります。ただし、この尾根は日本三大急登にも数えられる熟練者向けのコース。十分な体力と技量が求められるところです。

運が良ければ、山頂で雷鳥に出会えます。


以上、「登山者を魅了してやまない山梨の名峰【前編】」でした。東京近郊からも行きやすいので、ぜひ山梨の山に登りにきてくださいね!

Article written by ヒノキブンコ

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