山梨の野鳥 Vol.5(Wild birds of Yamanashi)
自然豊かなここ山梨には、多くの野鳥が生息しています。ほんの少し足をとめて辺りを見渡すと、様々な鳥の営みを見ることができます。
梅雨も明けていよいよ夏本番ですが、山や公園など、木陰で涼みながら鳥を探してみるのもいいかもしれませんね。今回は、私たちの身近でよく見られる鳥たちを紹介します。
ムクドリ
グレーとこげ茶色がバランスよく散りばめられた胴体と、オレンジ色のくちばし。おしゃれな老紳士を思わせるような色づかいが特徴の鳥です。
体長はハトほど大きくなく、だいたいスズメとハトの中間ぐらいの大きさで、大きく「ギャー ギャー」と鳴きます。雑食性で、植物の種子や果物、虫の幼虫などを好んで食べます。椋(ムク)の木の実を好んで食べるため「椋鳥」と呼ばれるようになったといわれていますが、これに限らずいろいろ食べます。
冬の間は群れで行動しますが、暖かい季節になると繁殖期を迎えてつがいで分散し、畑や草地などでよく見かけます。身近な鳥ですので、公園の散策中などに姿を見られると思います。
撮影地:山梨市 万力公園
キジバト
名前からはキジのようなカラフルな鳥をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、実物はそれほど派手ではありません。由来はキジの「メス」に体色が似ていることだそうなので、それを聞くと納得です。普段よく公園で見られるハトと比べると、茶色がかった不思議な色合いです。朝方「ホー ホー」と聞こえるのは、フクロウではなくキジバトの声です。
別名をヤマバトといい、かつては山岳地帯に生息し、めったに人前に姿を現さなかったそうですが、都市部での銃猟が制限されるようになってからあまり人間を恐れなくなり、ヒトの身近に棲むようになったそうです。
撮影地:山梨市 万力公園
カルガモ
河原や田んぼなどでよく見かける鳥で、カモのなかでは身近な存在です。淡褐色の体に、黒と黄色のくちばし、そしてオレンジ色の足と、おなじみのカモの見た目です。
カメラを向けても逃げず、威嚇せずの姿は堂々たるものです。というのも、一説には日本のカルガモはアヒルとの交雑が進んでいると言われています。アヒルと交雑することで、元々狩猟対象であることからヒトを恐れていたはずのカルガモも、ヒトを恐れない行動をとるようになっていったと考えられていて、都市部のカルガモの多くがアヒルとの雑種だと言われています。
撮影地:山梨市 万力公園
マガモ
世の中の多くの方がカモと聞くと、マガモかカルガモを思い浮かべるのではないでしょうか。頭はきれいなグリーン、胴体はグレー、壮年の紳士のような色使いの鳥です。冬場の池や庭園で見かけるカモは、周りの景色に美しい体色がより映えて見えますが、もちろん夏にも見ることができます。
植物食が主の雑食で、水草の葉や茎、貝などを食べます。水面を泳ぐのは上手ですが、水にもぐることができず、水中に首を突っ込んだり逆立ちしたりしてえさをとる様子がよく見られます。
撮影地:山梨市 万力公園