山梨の野鳥 Vol.7(Wild birds of Yamanashi)
徐々に冬の足音が近づいてきましたね。朝晩は少し肌寒くなってきましたが、凛とした空気のなかで鳥を探してみるのはいかがでしょうか。今回は、秋から冬に見ることのできる鳥たちを紹介します。
ジョウビタキ
冬によく見る鳥といえば、ジョウビタキ。オスはきれいな外見をしています。オレンジ、灰色、黒がバランスよく混じっており、色彩の乏しい冬に豊かな彩を与えてくれます。
撮影地:北杜市白州町
メスはオスと比べると少し地味ですが、羽の下がオレンジ色できれいとか尻尾の振り方がかわいいなど、オスとは違う観点で楽しむことができます。「ヒッ」、「ヒョッ」と金属音に近い甲高い音が聞こえたら、この鳥です。
大きさはスズメより少し小さいですが、非常に目立つ外見なので、すぐ見つけられます。
警戒心はそれほど強くもなく、ベンチに座っていれば近くに寄ってくることもあります。
撮影地:甲府市
ヤマガラ
黒、白、オレンジ、灰色に芸術性を足して配色された鳥です。遠目に見るとジョウビタキのオスと勘違いすることもなくはありません。標高1500m以下にある常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に生息しています。今年の夏頃写真を撮ろうと尾白川渓谷に出向き、撮影に失敗した鳥なので、甲府市内で見つけたことに驚きを隠せなかったです。大きさはスズメより少し小さいくらいです。
主に樹上で採食します。堅い果実は嘴でこじ開けて中身を食べます。撮影時はシジュウカラ、コゲラなどと混群しており、四方からコゲラのドラミング(木を叩く音)、ヤマガラが果物を割ろうと木に叩きつける音が響き続ける異様な状況でした。正体がヤマガラと分かるまで少し怖かったです。
昔は芸を仕込まれた個体がおり、縁日にヤマガラがおみくじを引き、運勢を占うという光景は珍しくなかったようです。
撮影地:甲府市
トラツグミ
黄褐色で黒い鱗上の斑が密にあるモザイク画のような鳥です。大きさはヤマガラ2匹分くらい。一度見たら、なかなか忘れられない外見をしています。
日曜日の夜にやっている某動物番組に出たこともある鳥です。ダンスのような動きで地面に振動を与え、驚いて出てきた虫やミミズを捕食します。鳴き声は少し不気味で、一度聴いたら耳に残ります。夜中に細い声で鳴くため、鵺鳥(ぬえどり)などと呼ばれたこともあります。
見つけたときは2匹いたのですが、警戒心が強いのかこちらがカメラを抜いた瞬間に逃げる始末。ひたすら先回りしてようやく撮れました。
目撃が多い場所は低山~亜高山帯なのですが、甲府市街の近くで見つけたので、正直驚きました。
撮影地:甲府市