山梨の野鳥 Vol.8(Wild birds of Yamanashi)
冬も本番を迎え、朝は氷が張る日も増えてきました。冬の凛とした空気のなかで鳥を探してみるのはいかがでしょうか。今回は、冬に見ることのできる鳥たちを紹介します。
ハクセキレイ
頭は黒く、背中はグレー、腹は白いセキレイです。これまでにセグロセキレイ、キセキレイを取り上げましたので、主だったセキレイはご紹介できたかと思います。
山梨県内では宅地や農地、果ては某市の自動車教習所のコースにも出没します。大きさはスズメ以上ヒヨドリ未満。尻尾をピコピコさせながら、道路を歩く(もとい走り回る)様子を見たことがある方は多いと思います。飛翔時はチチッ、チチッと鳴きながら、落ちては羽ばたき、落ちては羽ばたきを繰り返していることが多い鳥です。
セグロセキレイは秋の田んぼ、キセキレイは夏の渓流が一番見栄え良く見られますが、ハクセキレイは何といっても雪景色が似合います(わざわざ雪があるところまで行ったので、とても寒かったです)。
撮影地:北杜市須玉町
ウソ
背中はグレー、尾羽と頭は黒、頬はピンクで腹は白めといった体色です。後ろから見ると個性強めの燕尾服に黒のベレー帽を被っているデザイン系の学生のようにも見えます。
和名の由来は口笛を意味する古語「うそ」から来ており、ヒーホーと口笛のような鳴き声を発することから名付けられました。
見つけたときは木上で新芽か何かを食べており、嘴には食べかすがついていました。昼間に頬のピンクを見ると存外明るい色をしていますので、色彩に乏しい冬の木に豊かな彩を与えてくれるそんな鳥です。
山梨大学の池田清彦名誉教授の著書に「この世はウソでできている」という本があります。世の中に「ウソ」という鳥はいても「ホント」という鳥がいないのは少し悲しい気がします。
撮影地:韮崎市
アカゲラ
キツツキといえば、アカゲラをイメージする方は多いと思います。大きさは20~24cm位とヒヨドリなみで、以前ご紹介したコゲラの1.5倍くらいの大きさです。
白いYシャツ、赤いズボンに白い水玉をちりばめた黒を基調としたジャケットを羽織り、赤いハンチング帽を被ったような外見の鳥です。鳴き声は「キョッ、キョッ」という独特なもので、山中でもよく響きます。色合いも目立つため、冬場に見合かけると目が離せないと思います。
基本的には木を下から上に昇りつつ、木の幹をトントン、トントンしながら、獲物を探します。木を突く音も大きいので、これが「キツツキ」の名前の由来なんだなと感じることができると思います。
キツツキの仲間としては、他にオオアカゲラやアオゲラがいます。今後ご紹介していきたいと思いますので、乞うご期待ください。
撮影地:韮崎市