シャトレーゼ 勝沼ワイナリー (Feature of Chateraise Katsunuma winery)

空と大地に抱かれて

　「私たちにとって、畑、ブドウ作りが全て」と、シャトレーゼベルフォーレワイナリー勝沼ワイナリー（以下：勝沼ワイナリー）の戸澤一幸工場長は言います。シャトレーゼが経営するワイナリーは山梨県に二つ。甲斐市双葉にあるベルフォーレワイナリーに比べると、ここ勝沼ワイナリーはワイナリー自体の規模は小さいですが、代わりに鳥居平、菱山など、勝沼地域9箇所に点在する3ヘクタールもの巨大な自社農場を有しています。それは、観光に向けた側面との役割の違いにあり、勝沼ワイナリーは、ブランドにおける品質の向上に特化した側面を担っているからなのです。

　「日本のワイン技術は海外にひけをとらない。だから、ブドウのポテンシャルを上げる必要がある」世界に負けないワインを作りたいという情熱が広大な自社畑、ブドウの樹一本一本に注ぎ込まれています。同じブドウ品種でも畑が違えば、育ち方も育て方も違う。棚か垣根栽培か、どの品種がどの畑の生育方法にマッチするのか。膨大な実験と試行錯誤が繰り返されています。斜面の日当たり、標高、気温、土質、風や雨の抜け方など、一つとして同じ条件はありません。その年、その時によって天候も違います。

　ワイン作りには正解がないため、ブドウの樹と向き合い、樹が発信する情報を読み取ることが重要なのです。ワインのテロワール（土地の生育環境）に重きをおいて栽培した、同品種の畑違いのブドウをブレンドし、味わいをフォローして一つのワインを仕上げていきます。大切にしているのはワイン特有の魅力である果実感。だからこそ素材になるブドウにこだわり、甲州市が定めた産地を守るための原産地呼称ワイン認証制度にも9品目が認定されています。厳選された産地と素材を活かしたスイーツ作りで人気を博すシャトレーゼ。徹底された企業精神はワイン作りにも活かされ、力強く脈打っています。